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「ER」1st season 第1話 その3  「薬物中毒」


■52分30秒―55分28秒
看護師長が睡眠薬中毒で搬送されてくるという shocking な場面です。

What do you expect to see?
君たちは何を期待しているんだ?

room mateは何を服用したのかわからないようです。
このような時、日本の救急隊は現場に残っていた空き袋や瓶などをもってきてくれます。
中毒物質の推定に役立ちます。

最初に「ナルカンとブドウ糖」を投与しています。アメリカでは意識のない患者がきたら、諸検査の前に routine に投与するようです。ナルカン Narcan は麻薬中毒の拮抗薬ナロキソンです。
麻薬中毒と低血糖(hypoglysemia)による意識障害が多いことや、ブドウ糖を低血糖でない人に投与してもさほど重大な合併症はおきないためです。日本では行われない方法です。

あるアメリカの救急の本では
When presented with a comatose patient, it is necessary to act before all the data (e.g.,blood tests) are back. All coma patients should promptly be given oxygen, 25 gm of glucose (50% 50ml), 0.8mg or more of Narcan, and 50 to 100 mg of thiamine.
(thiamine:vitamine B1:欠乏でWernicke脳症)

日本でも低血糖による意識障害は多いです。
救急救命士が血糖を測定し、ブドウ糖を投与することもあります。

Dr Greene のorder は5%ではなく50%のブドウ糖液と思います。

Lydia が Why did she do it? と尋ねると、
Dr Greene は It doesn’t matter why. と言い放っています。
飲んだ直後だからかもしれません。
しかし、自殺未遂 suicidal attempt の治療・精神的サポートの上で、企図した理由を知ることは重要なことです。

other ODs:ODs はover dose patients:過量服薬患者
他の中毒患者にも聞かないのが普通だと言っています。

気管挿管しました。誤嚥を防ぐためにも重要です。
次に経口で胃管gastric tube を挿入しています。
(ただし、強酸・強アルカリの中毒では穿孔の危険があります。)
胃洗浄をおこないますが、錠剤などが予想されるときは、口径の大きな管を口から挿入・留置します。鼻からでは細い管しか入りませんので。

Babinski reflex:バビンスキー反射:代表的な病的反射の一つ。
  足底を踵の方から足先へこすると、足の親指が背屈する。

barbiturate:鎮静剤・抗痙攣剤・麻酔剤として使用される薬剤。過量は危険です。

repeated twice:異常値が出たときには、まず間違いではないのか?と疑います。
測定ミスを除外するため、2回測定して確認しました、と報告しています。
(次に考慮しなければならないのは、『検体の取り違え』です)

カーテン curtain を引くのが遅いですよね。patient のprivacy にもっと留意すべきです。

■56分01秒―58分50秒
血中barbiturate 濃度は高いままです。
hemoperfusion:血液潅流 の準備もできています。
decerebrate position:除脳姿勢:GCSでは2点です。

set the tone:チームを方向付ける。リーダーシップを発揮する。

■1時間02分35秒―1時間03分15秒
dialysis:透析
厳密には dialysis と hemoperfusion は異なります。
除去する物質の分子量が異なります。
barbiturate の除去には hemoperfusion の方がよいと思われます。

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