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「ER」3rd season 第14話 その1「急性虫垂炎」



急性虫垂炎は、非常に頻度が高い疾患です。
日本では一般に“盲腸”と呼ばれますが、
盲腸の先の虫垂という芋虫のような部分の炎症です。
虫垂はappenndix。虫垂炎はappendicitis。
なので、よく「アッペ」と言われます。
(appendixには「付録」という意味もあります。盲腸の付録でしょうか。)
急性虫垂炎は、診断も手術も簡単なように思われますが難しい症例も多く、
「外科はappeに始まりappeに終わる」とすら言われます。

虫垂は右下腹部にあります。
最初は心窩部痛「胃が痛い」で始まり、炎症が進むと右下腹部痛になります。

■6分06秒―6分30秒
Dr Benton が、右下腹部が痛そうです。

■8分40秒―9分06秒
Dr Benton やっぱり痛そうです。

■10分00秒―10分18秒
痛くて仕事にならない様子ですね。

Just a little indigestion. 
 ちょっと消化不良なだけだ。

  digestion:消化
  digestive tract:消化管

■19分40秒―20分30秒
自分で超音波検査ultrasoundをしているところをDr Weaverに見つかってしまいました。
有能なDr Bentonですから、自分で「こりゃ虫垂炎だな」とわかっています。

昨夜から痛かったのですね。
midepigastric:最初は心窩部痛だった。
  mid:真ん中。epigastric:心窩部の。

Shifted to the right lower quadrant this morning.
 今朝は右下腹部に移った。

典型的です。
quadrant:4分の1
  腹部を上下左右に4分割して表現します。
四肢もquadrantを使います。(1st season 第14話 その1 参照)

Dr Weaver が診察しています。
腹部の触診で、押さえて離したときに痛がっています。
反跳痛rebound tenderness といいます。
腹膜刺激症状の一つです。腹膜炎を起こしかけています。

腹膜刺激症状があると、歩いたり咳をするだけでも響いて痛みます。
ですから、前かがみでそーっと歩いています。

■22分20秒―23分02秒
手術の準備です。
現在は剃刀での剃毛はしなくなりました。

■24分10秒―24分36秒
Dr Carterも手術に入ることになりました。

■26分50秒―27分23秒
自分が手術される立場になり、Dr Bentonは気が気じゃありません。
「腹部の右側に印を」
→リスクマネジメントとして眼や腎臓など左右に同じ臓器がある場合には、
取り違えを防ぐために手術する側に印をつけます。
しかし、右側にしかない虫垂炎の手術なのに…とNurseもびっくりです。

■29分17秒―30分15秒
Dr HicksもDr Carterもちょっとはしゃぎすぎですね。
(もちろんTV drama だからですが。)

Rocky-Davis incision:水平方向の切開のようです。
日本では交叉切開法が多かったのですが、
最近は腹腔鏡での手術が多くなっています。

McBurney’s point:セリフと日本語字幕にありますが、英文字幕にありません。
とても有名な急性虫垂炎の圧痛点です。
臍と右前腸骨棘を結んだ線の、右側1/3の点です。

Mc(Mac)がつくのはスコットランド系の名前です。その後も大文字です。
マクドナルドMcDonald
マッカーサーMacArthurなど。

ドラマ刑事コロンボ「さらば提督」で
新人刑事が「マックと呼んでください。」コロンボ「君はスコットランド系かね」
というシーンがありました。

■32分46秒―33分54秒
手術を終わろうとしています。
Dr Carterが片手法の結紮を教えています。

■37分07秒―38分50秒
Dr Bentonは全身麻酔から覚めかけで夢をみています。
術後の説明はもっとはっきり覚めてからにするべきですね。

suppurative:化膿性
さらに炎症が進むとgangrenous:壊疽性
穿孔すると穿孔性:perforatedとなります。
穿孔すると腹膜炎を併発し、手術も術後も長くなります。

Dr Carterにとっては、外科の指導してくれた先生の手術ができたのですから、
良い恩返しだったかもしれませんね。

appe

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