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「ER」3rd season 第21話 その2 潰瘍の穿孔

■21分14秒–22分08秒
中年男性が腹痛で受診しています。
腹膜刺激症状があります。

pre-ope labs?
pre-operation laboratory examinations?
 術前検査をしますか。

ベテランの看護師さんですね。
診察をみていて、これは手術になりそうだとわかりました。

upright chest X-ray
立位の胸部レントゲン撮影。
 縦型のピアノを「アップライト」といいますね。

a lot of ibuprofen:イブプロフェンは消炎鎮痛剤
a board-like abdomen:板状硬:腹膜炎の症状(腹膜刺激症状)です。

 鎮痛剤を飲み過ぎると胃・十二指腸潰瘍ができやすいのです。
 それが穿孔すると、穿孔性腹膜炎となります。
 全体に広がると汎発性腹膜炎。局所にとどまると限局性腹膜炎です。

guarding in all four quadrant.
 quadrant:1/4。腹部を左右・上下に4つに分けて痛みの場所を表現します。
 right lower quadrantだと右下腹部

  (quad:4を表します。大腿四頭筋:quadriceps
  四肢麻痺 quadriplegia
  tetraplegiaとも言います。
  tetraも4を表します。1st season 第15話 その3 参照)

 4つともということは腹部全体にmuscle guarding筋性防御があるのです。
 筋性防御も腹膜刺激症状です。

A perforated ulcer 穿孔した潰瘍
 胃潰瘍よりも十二指腸潰瘍の方が、穿孔が多いと思いますが。

■25分46秒–26分13秒
free air under the diaphragm
 横隔膜の下に遊離ガス(free air)がある。

消化管穿孔の所見です。uprightで撮影したおかげです。

slam dunk:簡単なこと
no-brainer:簡単なこと「脳を使うまでもない」でしょうか

たしかに誰が見てもわかる多量のfree airが写っています。

■26分13秒–28分43秒
患者さんは手術に同意されません。
父親が簡単な手術といわれたのに死亡した経験をお持ちだからです。

患者さんには自己決定権があります。
穿孔性腹膜炎の手術ですから、簡単とは言ってもリスクはゼロではありません。

充分にinformed consent ご説明して、正常な理解力のある方なので、無理強いはできません。

■32分40秒–34分16秒
それよりも手術以外の治療法はないのか?
Dr Carter は造影検査をして被覆されていることを確認しています。
なんとか患者さんのご希望に沿いたいと努力しています。

最近では被覆型の潰瘍穿孔では保存的に治療することが多くなりました。
このドラマの当時はまだ一般的ではなかったのです。
しかし、Dr Weaverは文献で知っていたのです。
さすがDr Weaver ですね。

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