1st season 第14話 その3 三環系抗うつ剤・トルサデポア・人形の目
■9分18秒–10分52秒
32歳、女性。suicidal attempt
OD:over dose
tricyclics:三環系(抗うつ剤) 大量服用では不整脈など心臓への毒性があります。
Narcanとglucose:1st season 第1話 その3参照
pump her stomach:胃洗浄のことのようです。
Ewald tube:胃管の商品名
(activated) chacoal:活性炭 消化管内に残っている未吸収薬物を吸着します。
shrink:精神科医
capillary refilling time:毛細血管再充満時間
末梢循環の指標です。
トリアージ(1st season 第10話 その1参照)のときに使われます。
bicarb:sodium bicarbonate 重炭酸ナトリウム
Torsade:Torsade de Pointes:トルサデポア(フランス語)
心電図でQRSの形が一拍毎に変化してねじれたように見える=多形性心室頻拍
(Torsade:英語ではtornade:竜巻。野茂選手トルネード投法)
QT延長症候群で起こります。また薬剤によって起こることもあります。
今回は三環系の大量服薬の影響でしょう。
(その前の画面の波形は、Torsade de Pointes ではなく、QRSのそろった心室頻拍VTでした。)
硫酸マグネシウムが有効な治療法です。
しかし、PEAからAsystole になってしまいました。
■11分24秒–12分59秒
doll’s eye:人形の目現象。脳幹brain stem 反射の一つです。
意識障害がある時に、頭部を受動的に急速に左右に動かすと眼球はその反対方向に動く。
つまり、視線が正面に残るように動きます。これを人形の目現象と呼びます。
この反射がなくなると、目は動かしたほうを向きます。
(頭を動かすと眼球が動くのは高級な人形ですね)
ここでは、doll’s eye が見られないので脳幹がもう機能していない、と言っています。
日本の脳死判定基準の脳幹反射の7つのうちの1つに採用されています。
皆の奮闘むなしく、患者さんは亡くなってしまいました。子供ちゃん、かわいそうですね。
Dr Greene、死亡時間をきちんと宣言せずに立ち去ったのはいけませんね。
4th season 第3話 その1 doll’s eye
■13分18秒–14分58秒
27歳の女性が、意識障害で運ばれてきました。
Dr Carterが診察を始めます。
cornea reflex:角膜反射 脳幹反射の一つです。
これも日本の脳死判定基準の脳幹反射の7つのうちの1つに採用されています。
次にdoll’s eyeの説明を家族にしています。
Seeing if eye movement adjusts to changes in head position.
It’ll tell us if there’s brainstem involvement.
しかし、doll’s eye response がみられません。
■16分17秒–16分53秒
decerebrating:除脳硬直になりつつある。
現在は痛み刺激sternal rub で上肢が屈曲しているので、decorticate posture です。
■20分32秒–23分10秒
意識が戻ったようです。しかしCTをよく見ると出血があるようです。
くも膜下出血SAH:subarachnoid hemorrhage
警告リーク(leak):警告出血。血管から少し出血して症状が現れたときに適切に対処しないと、数時間以内に2回目の大出血をおこして致死的となります。
その1回目の出血があたかも警告のようなので、そう呼びます。
LP:lumber puncture:腰椎穿刺
「時間がない」と言っていますが、それよりも
脳幹周囲に出血があるので、穿刺は危険でしょう。
すぐにMRIに行きました。
■29分10秒–30分25秒
MRIの部屋に金属類をつけて入ると、たいへんなことになるのですが、この場面では
その配慮が足りないですね。
aneurysm動脈瘤がみつかりました。
動脈瘤は動脈壁の一部が弱くなって瘤になり、破れると出血をきたします。
脳血管の動脈瘤が破れるとくも膜下出血をきたします。
しかし、説明が二転三転したので夫は不信感を持っています。
当然のことですが。
■32分25秒–33分01秒
手術の手配をしています。
■36分28秒–36分47秒
clipping手術はうまくいったようです。
しかし、手術がうまく終わっても、必ずfull recovery とは限りませんが。