脊椎(spine、vertebra:複数形はvertebrae)(脊椎動物はvertebrate)は体幹を支えていて、
頚椎(cervical supine)は7個・胸椎(thoracic supine)は12個・腰椎(lumbar supine)は5個です。
仙椎は癒合して仙骨(sacrum)になっています。その下に尾骨があります。
頚椎・胸椎・腰椎は大きさは違いますが基本的に同じ構造です。
円柱形の椎体があり、その背側に椎弓があります。神経の束である脊髄spinal cordを守っています。
さらに棘突起が伸びています。
第一頚椎と第二頚椎だけは他と異なり、非常に特徴的な形態をしています。
第一頚椎はリング状になっており「環椎」と呼ばれます。
英語では”Atlas”アトラスと呼ばれます。
ギリシャ神話で天球を支える神”Atlas”にちなんでいます。
第一頚椎は重い頭蓋骨を支えているからです。
第二頚椎は「軸椎」と呼ばれます。椎体の上に歯突起(dens)があるからです。
英語では”Axis”です。歯突起はちょうど第一頚椎の椎体が第二頚椎に移ったようになっています。
この環椎と軸椎による環軸関節が、頚部の回旋を大きく担っています。
歯突起densの関連語:歯科医師dentist、歯状線dentate line
ダンドリオンdandelion:西洋タンポポ
フランス語dent de lion(ライオンの歯)から
西洋タンポポの葉がライオンの歯に似ているため。
「のどぼとけ」は男性ののどの隆起で、甲状軟骨が皮膚の上からも目立つもので、
英語では”Adam’s apple”と呼びます。
一方、遺体を火葬すると軟骨は残らず、第二頸椎が座った仏像のように見えるため、
これを「のどぼとけ」と呼ぶ場合もあります。
哺乳類では原則として頚椎は7個です。
(この原則にはずれるのはマナティとナマケモノだけだそうです。)
キリンGiraffaの首はとても長いですが、やはり頚椎は7個です。
研究者郡司芽久氏の「キリン解剖記」では、
このキリンの頚椎の研究が語られています。
コンビニ(convenience store)のセブンイレブンの電子マネーは
「ナナコ」でかわいいキリンのイラストです。
「麒麟」は想像上の生き物です。キリンビールの絵でおなじみの姿と考えられていたのです。
この麒麟にちなんで、ジラフを「キリン」と名付けたのです。
なお足の速い馬は馬偏の「騏驎」:騏驎も老いては駑馬に劣る。
第7頚椎の棘突起は大きくて皮膚の上からもよく触れるので「隆椎」と呼ばれます。
頚髄が損傷すると四肢麻痺など重篤な状態になります。(4th season 第1話 その1 参照)
ギリシャ神話にメデューサMedusaという怪物があり、見た者を石に変えてしまいます。
アトラス神は後にこのMedusaによって石に変えられてしまい、
それがアトラス山脈(北アフリカ)になったとされています。
Medusaは髪が蛇でできています。肝硬変liver cirrhosisの身体所見で
臍navel周囲の腹壁静脈の拡張を、メデューサの頭Caput Medusaeと呼びます。